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根っこ育て通信

子ども達の「根っこ」を育てたい!~子育ての役に立つヒントやアドバイスを随時掲載

子育てに奮闘する方にはぜひ知ってもらいたい!

教育保育現場で長年培われてきた子ども達の「根っこ育て」に大切なことや、研修等で伝えられる子育てで知っておきたい情報などをお伝えしていきます(更新不定期)。

ストップ!「叱る依存」 研修と職員の意見交換

 子育ての中で、つい子どもを叱ってしまうということ、保護者ならば誰でも経験があることではないでしょうか?
なぜ叱ってしまうのでしょう?
公認心理師・村中直人先生の講演会で「叱る依存」についてお話を頂き、子育てで生かせそうなヒントをたくさん伺うことができました。
 
○人はなぜ「叱る」に依存してしまうのか?
 人は苦痛を和らげてくれるものに依存します。叱ることで相手をコントロールし、安堵や充実感を得てしまうのかも… 叱る人がもともと何かに悩んでいたり、イライラしているときなどには「叱る」行為が止まらなくなってしまう可能性が高いそうです。つまり、現実逃避という意味で依存に似ているのです。
 「叱る」行為が慢性化してくると、刺激に慣れたり、相手の反応低下などからより強いネガティブ感情を与えることへの欲求が高まり、行為が悪循環に陥ってしまうわけです。
 
○「叱る」は効果がない!?
 「叱る」は「咎める、責める、声を荒立てる」など、相手に対して攻撃的な側面が含まれる行為です。「注意する、指導する、説得する」などの行為とは区別して下さい。つまり、「叱る」行為は相手にネガティブ感情体験を与え思うようにコントロールしようとする行為で、決して「相手のため」になっていないのです。
 このようなネガティブ感情は学びや成長を促進しません。叱られた子どもは、「なぜ叱られたのか」より、叱られるという目先の状況から逃れようとするだけになってしまいがちです。
 
○上手に叱ろう
 村中先生が教えて下さった上手な叱り方のヒントは次の通り:
  • 叱るときは必ず「予告する」
 何をしたら/しなかったら叱られるのか明確にすること。わかっていれば、その苦痛を回避しようと子ども達の中に抑止効果が働きやすくなります。
  • 上手に叱り終えること
 行為が停止、回避されたらネガティブ感情は必要ありません。それ以上は、叱る側の欲求を満たすだけです… ピンポイントにして長くならないように。
  • 「前さばき」をしよう
 「前さばき」とは、行動の前の環境整備や対応のこと。問題が起きない状況を作るために何ができるか。この「予測力」が最も大切なことです。「予測」して「予告」するのです。
 
○人間が最も学び、成長するのは「冒険モード」
 人が冒険モードになるためには「自己決定」が必要になってきます。「やりたい、ほしい」などの欲求をベースにした「主体的な学び」は、ワクワクする気持ちや困難を乗り越えるための試行錯誤に満ちています。自分で決めて自分でしているという感覚が大切なのです。
 叱るが生んでしまうのは防御モード。防御モードと戦闘モードが同時に起こることはありません。
 
 先生曰く、「叱るを手放すこと。」
 それが、子どもの自発的、自立的な学びや成長に自然と繋がってゆくのだそうです。ただ、大人の我々からすれば、自発的な学びを待つのに辛抱がいるのも事実です。叱らなかったら収拾がつかない!なんで思った方もいらっしゃるかもしれませんね。それを、手放すのです。そして、もっと予測や予告、環境整備などの「前さばき」に力を入れてみるところから始めるのです。
 
○職員の意見交換から
 上手に叱るということについて考えてみました。相手をコントロールしようとしたり、感情をぶつけてしまうことなどは子どもに対してに限らず、大人同士の関係でもマイナスの影響を及ぼします。大人が手本である、私たちの背中を見せるということを忘れず、それが子どもとの関係になっても自然とできれば、お互いにリスペクトのある関係になれるのではないかと思います。昨今問題になっている不適切保育の問題の解決の糸口かもしれません。
 また、「上手に叱り終える」ことについて、具体的に話し合いました。
・別のことまで引き合いに出して叱らないこと。
・叱ったあとは、褒めること
・その子のいいところを見つけて終わること
・最後は笑顔で終わること etc.
 
 皆さんは、他にも何か思いつきますか?叱る方も気持ちを切り替えられるように、上手に叱り終えたいものですね。

子どもの時期から骨育てを! そしてやっぱり大切、朝ごはん

2023-07-28
 カルシウム・骨についてご専門の女子栄養大学・上西教授の講演会があり、よいお話が聞けました
 

」→ゆたか・ほね が組み合わされた字ですが、何と読むか知っていますか?
 
 答えは「からだ」です。からだは豊かな骨でできている、ということです。豊かでなくなると骨粗鬆症などになってしまうのです。
 
〇乳幼児はカルシウムがたくさん必要!なぜなら…
 骨を作るのに、幼児期はとても大切な時期です。大人と違って、体の代謝だけでなく、「成長」にカルシウムをはじめとする栄養がたくさん必要だからです。一日のカロリーやたんぱく質が大人の半分で良くても、カルシウムは30歳の成人男性が600mg必要だとすると、5歳の男の子は500mgを必要とします。カルシウムの吸収を助けるビタミンDも魚やキノコ類などから上手に摂るようにしましょう。
 
〇子どもの頃から食べ物と運動で「骨貯金」を!生涯の骨密度を左右
 よく聞く「骨密度」は、幼児期から10代で急激に増えて30歳頃がピークです。そこからは減ってしまうので(特に女性は閉経後に急激に減少)、若いときにどれだけ増やせるかが大人になってからの骨の健康に影響します。子どものうちからの「骨貯金」が大切ということ。食べ物はもちろん、骨に刺激を与える運動も骨量を高めるためには欠かせません。紫外線に当たるとビタミンDを取り込めるので外遊びはよりカルシウムの吸収を高め骨を強くするためにもいいことと言えます。
 
〇朝食欠食の影響を知ってください
 また、小さい頃の習慣が大人になっても変わらなかったりすることの例として、朝食欠食と肥満のことも伺いました。朝食摂取は学力・体力にも影響しているという研究結果もあります。お腹がすいては集中できない、元気が出ない、ということ。ご両親が仕事で忙しい家庭が多いとは思いますが、朝ごはんを一緒に食べて一日の活力源を補給してほしいと思います。今の暑い時期は、朝食で養分・塩分・水分を体にチャージしておくことが熱中症の対策にもなります。
 肥満については、5歳の時に肥満傾向にあるとその6割は成人してもそのままという調査結果があり、小児肥満は成人の生活習慣病に繋がりやすいのだとか。間食の摂りすぎや運動不足など気を付けたいですね。
 
 大切なのは、よく食べて、よく遊び、よく寝ること。
 辿り着いたのはシンプルで基本的なことでした。
 
 園でも、子ども達の食べ物への関心を高めたり、マナーを伝えたり、ご家庭と一緒に食育を進めてゆきます。
幼保連携型認定こども園
おのすみれ

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認定こども園運営(子育て支援集いの広場事業実施)、一時預かり事業
 
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