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根っこ育て通信

【後編】子どもたちの健やかな脳発達のために~~生活習慣、絵本、運動、音楽、そして体験!ゲーム、スマホは時間を決めよう

2024-05-28
 東北大学加齢医学研究所教授瀧靖之先生のお話、後編です。

〇共感力の低下を招くネット使用の影響
 小学生から中学生の時期は、会話など他者とのコミュニケーションで前頭前野の共感に関わる脳領域が発達する時期ですが、共感性が年々低下傾向で、2000年以降顕著になってきています。おそらく、ネットの普及が影響していると考えらます。人のコミュニケーションは、約70%がアイコンタクトやジェスチャーなど非言語的に行われていますが、ネットでは文字以外の情報が伝わりにくく、感情の共有や他者の視点の採用などをしないで済んでしまうからです。

〇ゲームやスマホがやめられないことは疾病
 ゲーム障害、ネット依存ということが言われるようになっています。
 なぜ、やめられないのか?人は、食べ物を探すのと同様に新たな情報を見たい・知りたいという情報探索行動があり、その期待がゲームやネットを使用することで報酬ホルモンのドーパミンが放出されやめられなくなるのです。しかしながら、幸せホルモンのひとつであるドーパミンが分泌されるにもかかわらず、SNSの利用頻度が高い人は自尊心が低く孤独感が高い傾向にあり幸せを感じていない、という調査結果があります。SNSよりも対面による交流のほうが幸福感が高いのだそうです。
 子どものネットやスマホ利用に対する解決策は、現状、使用時間の制限しかありません。時間を決めて利用すること、寝る1時間前は使用しないこと、また、自然の中で過ごしたり家族と会話したり、使わない日を設けるなどデジタルデトックスをすることが、やはり大切なのです。

〇睡眠、食事などの生活習慣も脳発達に大きな影響を与える
 子どもにとって睡眠は重要です。眠ることで記憶は定着します。記憶を司る脳の海馬は、よく眠る子のほうが体積が大きく、学力も高いそうです。
 もちろん食事も大切です。特に朝食が大切で、できれば血糖値が急激に上がりやすい糖分の高いもの(菓子パンなど)より、GI値の低い米飯などの和食が理想的だそうです。また、脳の健康を維持するためには、様々な成分が脳に働くため多くの品目を摂取することが大切です。一つのものばかり食べないことも注意しましょう。

〇読書、アウトドア体験などは知的好奇心を伸ばすために有用
 子どもが読書好きになったとしたら、それは最強です。学業の成績を高め、しかも将来の認知症予防にもなります。
 また、子どもの自然体験は脳発達を促進し、ストレスを下げることが分かっています。スピノザという哲学者が「体験という知」について語っていますが、その考えに脳科学が通じていたのかと感心します。自転車を乗りこなすには、どんなにマニュアルや教本を熟読しても「自転車に乗れる」という真理にはたどり着けません。人の脳は体験を経て更に発達していく…
 文化体験もしかり。豊かでリアルな、様々な経験を子ども達にさせて下さい。

〇自己肯定感を育むことも有用
 自己肯定感は愛情、絆、運動、体験、褒められることなどで育まれます。褒められることと同時に叱られることも多いことが重要です。一番悪いのは、褒めない、叱らないということで、調査では一番自己肯定感が低いグループでした。
 では、とう褒めたらよいのか?①結果を褒める方法と、②努力や過程を褒める方法があります。よいのは②です。結果ばかり褒めると、結果を求めることに注力するようになります。努力や過程を褒めると、頑張ることに価値を見いだし、努力する子になります

 ナンバーワンより、オンリーワンを。自分のちょっとスゴイところを3つほど見つけて、価値ある自分を認めること。それには、子どもが好きなことを見つけたらとことんさせる!時にはそれが難しいこともあるかもしれませんが、子どもの好奇心が芽生えときは、脳を伸ばすタイミング。親子で一緒に、の育脳を心掛けて下さい



幼保連携型認定こども園
おのすみれ

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